8月某日『15年振りに【世界がもし100人の村だったら】を読む』

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古本屋さんへふらりと行ったら、ものすごく懐かしい物を見付けて思わず買って帰ってきてしまった。

 

世界がもし100人の村だったら

私が中学生だった時に、道徳の授業で『世界がもし100人の村だったら』のビデオを観たことがある。今でも道徳教材に使われているんだろうか。

 

当時も約70億人という大きな数字を100人という小さな数字に変換したことで、ぐんとイメージしやすくなったなあなんて感想を抱いていたけれど、大人になって倍率や確率、先着何人などを経験したからか、今読むと当時よりもより感覚的に理解できた気がする。

 

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中学生当時もこの富の配分に「ん?」って感想を書いて提出した気がするんだけど、今も同じ感想を抱いた。成長してないわ、私。

 

こんな感じで絵本や詩っぽいデザインで小説みたいに文字がぎゅうって詰まっているわけじゃないので、本が苦手な人でも取っつきやすいと思う。

絵本の扱いで子供に読んであげて欲しいし、子供だけじゃなく大人も読んで欲しいし、何を思うのか、どう感じたのか、たくさん考える事がある本だと思う。

 

世界のお母さん100人のうち40人は、避妊の方法を知りません。

1人は、妊娠やお産のために亡くなります。

貧しい国だけだと、100人のお母さんのうち6人が亡くなります。そのうち3人は、まだ子どもです。

 

【妊娠出産・避妊】の項目も絶対に私が中学生の時もあったんだけど、”避妊を知らない未成熟さ”みたいなことが当時全く理解できていなかった気がする。

『100人中40人が避妊を知らない』って現実は大人になってから読むとすごくギョッとする内容で、子どもと大人で「これはイカンぞ…」と印象に残る内容はガラリと変わるのだろうなあと、『世界がもし100人の村だったら』シリーズに子ども時代と大人時代の両時期に触れた私は思う。

 

だからこそ、子供向けの教育本だと切り捨てず、大人にも読んで欲しい。

 

★★★★

戦争には莫大がお金がかかる。戦争をしていなくても、軍事力を維持し保有するために大きなお金を費やしている。

 

こんなふうに考えてみてください。

世界が1カ月、戦争にお金を使わなければ、そのお金で、2億2千万人の子どもを危険な鉱山や、不潔なゴミ捨て場から助け出せる、と。

 

あるいは、わたしたちがフェアトレードのチョコレートを食べることにすれば、カカオ農場から、何十万人もの子どもを救える、と。

 

やなせたかし氏が「本当の正義の味方は、戦うより先に、飢える子供にパンを分け与えて助ける人だろう」と語るのを色んな媒体で目にした。知ってます?そんな彼が生み出したヒーローって”アンパンマン”という名前なんですけど。

 

私が手に取った『世界がもし100人の村だったら(総集編)』は2008年発行とすこし昔の書籍であるが、どうやら「データを更新して新刊を…」という販売方法はなされていないらしく、その4か月後に出た『世界がもし100人の村だったら(完結編)』を最後に新刊は出ていない。

 

日本は圧倒的に恵まれた国である。そんなことは本を読む前から分かっていたが、改めてそうなのだと認識させられる。

 

恵まれた村民として何が出来るだろうか。今から国際協力の仕事に就く勇気はないけれど、フェアトレード商品を買って支援するぐらいなら出来るかもしれない。そう思って見渡すと、フェアトレードのチョコレートやコーヒーが普通のスーパーにも置いてあることに気が付く。今までは目に入ってこなかったのに。

 

まさに『知識が増えると見える世界が変わる』である。

 

この本の冒頭の方でこんなことが書いてある。

いろいろな人がいるこの村では

あなたとは違う人を理解すること、相手をあるがままに受け入れること

そしてなにより、そういうことを知ることがとても大切です

 

世界がもし100人の村だったら、このブログを読んでいるあなたは、そして私は、インターネットにアクセスできない82人より恵まれているのです。

 

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