10月某日『期待しない人生もさほど悪くない』

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ここ最近、有名人の悲しいニュースが相次いだ。

『誰にだって悩みがあるんだね』なんて言う人もいるが、それを吹き飛ばせるほどの美貌があって、お金があって、名声や実績もあったじゃないか。有名な分アンチもいるだろうけれど、それだって援護してくれるファンの数に比べたら…と考えてしまう。

 

これだけあらゆるものを手に入れた人が自死を選んでしまうことに、最初は絶望感に近い感情を抱いていた。

だけど、次第に『これだけあらゆる物を持っている特別な人でも、どうしようもないくらい生きるのが辛い時があるのだ。道端に落ちている石ころみたいな私なんて、悩んで当然、落ち込んで当然なのだ』と思うようになった。

 

そう思った瞬間、つまり悩みなく満たされた人生がいつの日かやってくる”期待”を捨てた瞬間、びっくりするぐらい心が軽くなったのである。

 

私には不安のない落ち込まない人生なんてやってこないぞ、いつまでウジウジしてんだ!なんて感じで。

 

★★★★ 

何か新しいことに挑戦しようと思った時、『失敗したらどうしよう』『恥をかいたらどうしよう』そんな気持ちがよぎって踏み出す勇気がヘナヘナと萎れてしまうことがある。

 

だけど自分への期待を捨てていると、完璧な人間じゃないんだから失敗もするし、恥をかくこともあるに決まってるじゃん。それでも挑みたいの?どうなの?ってなる。

 

傷付く準備ができると言うか、ちょっと打たれ強くいられる気がする。

 

”期待をしない”って言葉はネガティブなイメージがあるけれど、私個人としては”期待しない”ことでネガティブな出来事に対して心がフラットでいられるようになった。

 

もちろん、自分の足らなさばかりに目がいき、落ち込んで、不安でいっぱいの夜がなくなったわけではないのだけど、そんな時はこの言葉を思い出したい。

 

♦『無敵』とは

多くの人をなぎ倒してその頂点に立つ人のことを『無敵』と言うけれど、本来『無敵』とは『敵が無い』状態のこと、つまり闘う必要のない状況のことを言うのだ。(故・小林正観

 

世間の誰が作ったか分からないレースで1番をとることだけが、最強じゃないのですよ、と私に教えてくれた言葉である。

 

自分に期待していないと歪んだプライドを抱く必要がないから「ありがとう」も「ごめんなさい」も心の底から言える。”小林正観”的な無敵には近付いている気がする。

 

向上心がなくなってしまうような”期待しない”は良くないけれど、期待しない人生はその言葉のインパクトほど悪い人生ではない、と私は思っている。

 

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