9月某日『”質の良い服”を見付ける目を養ってくれたのは』

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自分の頭をフル回転させて着こなしを考えて、家で見た時は「良し!」って思ったのに、外で友人と並んだ途端、急に自分の服が安っぽく見えてきて恥ずかしくなることがある。

 

ファッションのコラムなどを読んでいて度々目にする言葉『質の良い服』。

質の良い服って、どんな服を指すのだろうか。

 

私は服を売りに何度もリサイクルショップへ行っていて、それらの査定の待ち時間にふらりと店内の商品を眺める時間がある。

これが結構面白くて、ヨレッとした古着の中にひときわ輝きを放つ「おっ?」と思ってしまう服が混じっていることがあるのだ。着古した感じがなく、型崩れしていないのである。

 

その一方で、コーナーも設けられるような有名ブランドの服がデロデロだったりすることもある。

 

待ち時間に、「おっ?」と目を引いたスカートがあって、思わず買って帰ってきてしまった。立体感があって、生地もしっかりしてい(るように見え)て、雑多なお店の中でも存在感があった。

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Scye(サイ)』というブランドのもの。

 

私が洋服ブランドに関してあまりにも知らないだけなのかもしれないが、聞いたことがないブランドで、調べてみると仕立てにこだわりを持って服を作っているブランドらしかった。

 

新品だとどれもこれも型崩れのしていない綺麗な状態なので、物の良し悪しを見分けることが難しいけれど、中古品で「良いな」と思ったものはタグを見てみると、ウール100%だったり、化繊と混合した服であってもmade in Japan であることが本当に多い。

 

中古になると素人目でも分かるくらい差が出るのだなあと思う。良い服は何度も着ることで本領を発揮するのかもしれない。

 

どんな”質の良さ”を求めているのか

 

靴底が真っ赤で有名な某パンプスを購入した時に店員さんに「あまり履かないで下さいね」と言われた、というエピソードをネットで見かけたことがある。

 

私にとっては「だんだん足に馴染むので沢山履いて下さいね」って言われた方が”質の良い”商品だなあと思ったりするけれど、「繊細で貴重な素材で出来ているから、取り扱いは慎重に」というのもまた別の方向で”質が良い”のだと思う。

 

”質が良い”に求めていることは人それぞれだけど、私が「この服、質が悪いわ」ってプンプンしちゃう服は、数度着ただけで生地が毛羽だったり、型崩れしたり、着古した感が出てしまう服で、逆を言うと何度着ても綺麗な服に対して”質が良い”と私は評価する。

 

そして、そんな私が求める”質の良い服”とはどんな服なのか?を学ぶのにリサイクルショップは格好の学び場だったのだ。

型崩れしにくい縫製や裁断で服を作っているブランド、そして素材の違いによる重さや印象の違い、毛玉のできやすさなんかも丸裸だ。

 

「良い服とはこんな服だ」なんて情報はネットにも載っているかもしれないけれど、『百聞は一見に如かず』とでも言えば良いだろうか。実際に見ることで、学び納得できることがすごく多い。

 

それこそ『良いか』『悪いか』なんて比べてみなければ分からない事だったりする。自分の手持ちだけ眺めてヴンヴン悩んでいても、冒頭の私みたいな、良い服だと思ったのに外に出るとそうでも無かった…なんてことに成りかねない。

 

現に、リサイクルショップで「こんなに傷んだ服を買う人がいるんだろうか?」「こんな安っぽい服が売れるんだろうか」と思うと共に、自分のクローゼットにある服を思い出してヒヤリとした経験は1度や2度じゃない。自分の持ち物って素敵に見えるフィルターをかけて見てしまいがち。

 

服の質の良し悪しも、服の傷み具合も、良い物にも悪い物にも触れて、たくさん比べてみないと見えてこないものだと思う。

その点リサイクショップ(古着屋)はブランドも素材も縫製も玉石混交、サンプルもたくさん、服を見極める目を養うのに最適な場所なのである。