2月某日、下唇の裏側と舌の裏側に白くポチッとした口内炎が出来る。噛んでてきたものではない。少なくとも舌の裏のやつは歯が届かない位置だ。どっちも私は噛んでいない。
市販の口内炎の薬を塗ったものの、薬がノリの役割をしてしまって、口を開こうとすると傷口と上唇がピリピリと引っ張られる。ズキン！とした衝撃の後に、ジンジンと鈍い痛みに襲われる。
先日買ったリップクリームの方が、傷口に直接塗るわけじゃないけれど、唇が潤うからか皮がつっぱらなくて幾分楽な気がする。
痛みを避けるためにシャクレ気味な顔で寝たせいか、顔の下半分におかしなシワが出来ていて、朝一番カガミで自分のと対面した時に『こんなにブスだったっけ？』と思う。ほうれい線がくっきりで5歳くらい老ける。顔付き・顔癖の大事さに気が付く。
朝起きて軽い空腹感はあるものの、痛くて食べられる気がしない。紅茶とクッキーに悶絶。そうこうしているうちに空腹を忘れる。
指をケガして絆創膏を貼るとタイピングのミスが増えて「こんなちょっと感覚が鈍るだけで困るんだなあ」と実感するが、口内炎になってみて痛みを感じて「こんな場所も食事には使っていたんだなあ」と改めて実感する。ちょっと一息…の飲み物も今はしんどい。
抗がん剤治療で口内が口内炎だらけになったというどっかで見聞きした情報を思い出す。
ガンの辛さは100％を理解することが出来ないが、口内炎の辛さならわかる。喋るのも食べるのもチクチクズキズキ痛くて、何もしないのが1番楽で、何もしたくなくなる。
骨折とかなら『すごく痛いんです！』って顔が出来るのに、口内炎の痛みは何故だか隠そうとしてしまう。ニッコリ笑って「口内炎なんてないですよー」てな顔をしてしまう。何故だろう、見た目がグロテスクだからだろうか。いや、自分でも口内炎の存在を忘れたがっているのか。
別に良いじゃんね、「口内炎が痛くて痛くて、油断すると涙が出ちゃいそうなんです」ってアピールしたって。本当に痛いんだからさ。
夜はさすがに何かを食べねば、と冷蔵庫の中身と口内炎に響かなさそうな物を思い浮かべていたら、ふと『口内炎にはビタミンB！ビタミンBは卵！』という記事を昨夜読んだことを思い出した。痛みで寝られず、あれこれ検索したんだった。寝起きの顔の衝撃で忘れていた。
…というわけで、ゆっくりと卵かけご飯を食す。醤油はかなり控えめだったけれど、久々に食べると結構美味しい。
口内炎は3日目。口内炎は1週間くらいで完治するらしいが、若さに免じて明日あたり痛みと腫れが引いていないだろうか、と期待しながら寝ることにする。
唇の口内炎の逆サイドに小さく口内炎の赤ちゃんのようなものが見受けられ…いや、これは見間違いに違いない。そ、そうに決まっている…!!!
ビタミンB2は口内炎になった後に摂取しても、回復・治癒を早めてくれる効果が期待できると歯科サイトに書いてあったので、意識しようと思う。
卵(白身)・納豆…1日のビタミンB2必要摂取量には遠いがこのあたりのお手軽食材を積極的に。
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