11月某日『私が思う【美しい人】』

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白状すると、私は美醜を見分ける能力がイマイチ備わっていない。

 

例えば、芸能界でトップクラスに美人といわれる佐々木希が、一般人の集まりと揶揄されることの多いAKB48に混じっていたとして「え!なんでこんな可愛い子がAKBに!?」とならないと思う。みんなそこそこ可愛く、大して差がないように見える。

 

私は世の中が『美人を良し』としているので、何となく世間に合わせて髪を梳き、メイクをし、肌を整えているのだ。

 

『太陽のパスタ、豆のスープ』という小説にこんな一節が出てくる。

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化粧をしたらきれいになれるか、高い服を着ればきれいになれるのか。うん、とうなずいてしまいたい私を引きとめる私がここにいる。こんな、誰でも思いつくような手軽な答できれいになろうなんて、十把一絡げのきれいにしか近づけないだろう。

もっと、質問をしよう。ちゃんと、自分のことを知ろう。(P.96)

 

主人公がエステティシャンに「わたし、きれいになれますかね?」と聞いて「あなたの求めるきれいが分からないから何とも言えません」といった様なシーンがあって、ハッとする。

 

”きれい”という一言でイメージする姿は人それぞれ違うはずなのだ。

健康的できれい。スリムできれい。ハツラツとしていてきれい。お淑やかできれい。凛としていてきれい。気だるいげできれい。

 

どんなきれいを私は求めているのだろうか。美醜の区別が苦手な私が『綺麗になりたい』と思うのは何故なんだろうかと考えてみる。

 

美人を見ていて羨ましいのは『私は好かれて当然だ』という溢れ出るほどの自己肯定感、なのかもしれないと思う。

 

印象的だった海外のとあるCM

 

何のCMだかサッパリ思出せないのだけど、海外のCMで、市役所かどこかの扉に『美人な人はコチラから』『美人じゃない人はコチラから』と看板が置いてある。

 

大体の女性は不美人の扉の方へ居心地が悪そうに向かっていく。

その市役所へ一組の母娘がやって来て、娘が不美人用の扉の方へ足を進めようとするのを、母親が腕を掴んで一緒に『美人用の扉』を通る。

 

その後に、友人たちと勢いで、冗談っぽく、堂々と…美人の扉を通った女性たちがダイジェストのように流れるのだけど、不美人の扉へ向かった人たちよりもみなどこか嬉しそうなのが印象的なCMである。

 

『美しいかどうかは自分が決める』というのがこのCMのメッセージだったはずだ。

…あぁ!思い出した。ランジェリーのCMだ。プラスサイズのモデルさんたちが最後に映るんだ。「世間が求める細さじゃなくても私たちは魅力的よ」って。

 

私にとって”美しい人”というのは自分の魅力が発揮できている人、すなわち自分のことがちゃんと好きな人のことを指しているのだと思う。そして、それは誰かのマネをしたって手に入らないことに私は薄々気が付いている。

 

『各々が持つ魅力を軽視しないで』というメッセージを発信しているのは海外に限ったことではない。

 

メイクアップアーティストとして有名な河北裕介さんもこんな風に語っている。

「どうやったら目が大きく見えますか?」「鼻が高く見えるテクは?」そんな質問を受けるたびに、メイクって自分ではない誰かになるためのものじゃないのにって歯痒く思う。二重とか一重とか、イエベもブルベも関係ない。もちろん若さ=美しさでもない。その人ならではの美しいところ、わかりやすく言い換えれば“自分らしさ”を際立たせるもの。

だからこそ、メイクでキレイになりたいのなら自分の顔をよく知っておくことが大事なんだよね。鏡をよく見て顔型、唇や鼻の形や配置、目は大きさや形だけじゃなく、離れているか寄っているかなど、顔のプロポーションをくまなくチェック。それを行ううちに自分の良さがどんどん見えてきて、眉のフォルムやシャドウやリップの色や質感など、自分にとってのベストなバランスも理解できるから。

そしてとにかく自分の顔に愛を持つ!これ大事。例えばスモーキーなアイメイクは一重まぶたの人の方がオシャレにキマることもあるから。世界でたった一つの自分の顔。その可能性を信じてみて。

引用:https://i-voce.jp/feed/18565

 

世間から見て美人かどうかはひとまず置いておく。

『美人用トビラ』と『不美人用トビラ』があった時「周りの評価は知らんが、自分のルックスは気に入っているもんね!」と美人用トビラを通れるようになりたい。

そんな”自分だけのオリジナルなきれい(魅力)”が手に入るような努力をしていきたい。 

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